2011年9月30日金曜日

ガウディアのモデリング



こんにちは!東郷です。

調査対象が決まったということで・・・!
今回は、公刊資料から分かった調査対象の概要を紹介したいと思います!



今回調査対象として選んだ会社は、株式会社ガウディアです。
2006年に設立され、小学校の低学年を中心に教材の開発と教室の運営を行っています。

今回、公刊資料を調べていて、非常に興味深かった点が二つあります。

一つ目は、親会社が日能研関東、河合塾グループだったことです。
日能研関東は中学受験、河合塾は高校受験、というイメージがあったので
なぜ今回、小学校の教室事業に参入したのか、インタビューで伺いたいと思います!

二つ目は、競合公文を意識している点です。
社長の小嶋隆氏が、あるインタビューでこう言っていました。
「私どもは中学受験においても社会においても
今求められているのは単純処理能力、反復能力の速さだけではないと考えています」
「先を急ぐ学習、スピードにとらわれず
じっくりと考えながら取り組むことを大切にしています」
(「フランジャ」20107月号より)

このインタビュー記事を読んで、
私は、反復学習で効率よく能力を高める、という公文式の逆をいっているのではないか
と直感で感じました。

ガウディアにおいて、どのような模倣やモデリングが行われているのか
公刊資料だけではなく、インタビュー調査からも明らかにしていきたいと思います!

2011年9月23日金曜日

調査対象が決定しました!



佐藤です!
ついに私たちの班の、調査対象が決定しました!
それは、株式会社ガウディアという企業です!



ガウディアは、2006年に設立された、
小学校低学年向けの教室事業です。
まずは、下に貼ってあるガウディアの30秒のコマーシャル動画をご覧ください。
なんとなく、ガウディアに対するイメージが湧くのではないかと思います^^



今回私たちが調査対象としてガウディアを選んだ理由は、
競合である公文を、非常に意識している企業ではないかと考えたためです。
上記のコマーシャルの映像にあったように、
ガウディアでは、「考える力」「使える力」の育成をコンセプトに
塾ではなく、自学自習のプリント学習を中心とした指導を行っています。
このスタイルは、どこかしら、公文のプリント学習を彷彿とさせます。
また、ガウディアは、雑誌記事や新聞記事などにおいても
「(ガウディアが)ガリバー、公文に挑戦」といった取り上げられ方をしており
公文の存在を非常に意識していることが伺えます。
こうした点から、公文をはじめとする従来の小学校低学年向けの教室事業にはない、
新しい価値を提供しようと挑戦しているのを感じました。
そこで、競合である公文を意識し、参照したうえで
どのように自社でビジネスの仕組みを築いているのか、
ぜひとも調査させて頂きたいと考えました。

また、これまで研究室で公文について研究していたことも、
今回の調査対象に魅力的を感じた背景にあります。
これまでは公文の自学自習の仕組みや、
それを支える指導者間のネットワークの存在などについて
研究室内で調査を行ってきました。
そこで、そうした仕組みがガウディアではどのように異なっているのか
より詳細に見ていくことができるのではないかと考えたのです。

研究対象も決定し、いよいよ卒論も本番に突入です!
ガウディアの方に、インタビューへのご協力の依頼を出したところ
幸運なことに、快く応じて頂くことができました!
これからはどんどんインタビューに出かけて
その様子を、随時ブログでもアップしていきたいと思います♪

2011年9月16日金曜日

事例4:ドトール



こんにちは、佐藤です!
今回は、株式会社ドトールコーヒーのモデリングについて紹介します。



ドトールコーヒーといえば、駅や商店街など、さまざまなところに店舗があり
おいしいコーヒーを手軽なお値段で提供してくれる喫茶店です。
実は、このドトールコーヒーのビジネスにおいても、モデリングが働いていたのです!

ドトールコーヒーの創業者である鳥羽博道さんは
当時の喫茶業界に対して、強烈な問題意識を抱いていました。
当時の喫茶店は、昼間でも薄暗く、不健全なイメージがありました。
また、コーヒーも貸席のおまけといった位置づけで、
種類もブレンドのみ、味も特別美味しいというわけではありませんでした。
こうした喫茶店のイメージに対して、危機感を抱いた鳥羽氏は
「一杯のコーヒーを通じて、安らぎを提供する」ことを使命に
喫茶業界全体のイメージを刷新しようと考えました。
そこで、ヒントを得るべく海外の喫茶店を訪れました。
なかでもヨーロッパのカフェ視察において
コーヒー文化の先進国としての明るく健康的なカフェのあり方に大きな衝撃を受け、
その経験を活かして、帰国後、ドトールコーヒーの前身となる
カフェ・コロラドを作ります。
ここで人気を博したことがきっかけとなり
次々と各地にドトールコーヒーを作っていきました。

こうした、当時の喫茶業界に対する問題意識と
鳥羽社長が訪れた、ヨーロッパのカフェがモデルとなって
ドトールコーヒーのスタイルへとつながっていたのです。



現在ではこんなに手軽に、私たちをほっとさせてくれる存在となったドトールコーヒー。
ですが、その誕生の裏側には、さまざまな葛藤があったのですね。

2011年9月10日土曜日

事例3:スターバックス



こんばんは!東郷です。

今回の事例は、みなさんにとって、なじみのある事例だと思います^^
スターバックス・コーヒーの事例です。





こちらは、先日参加したスターバックスのセミナーにて頂いた資料です。

スターバックスの発祥は、アメリカのシアトルです。
スターバックスには1971年に設立されたのですが、創業間もない頃は
現在のようなカフェラテやカフェモカ、フラペチーノなどのメニューありません。
コーヒー豆の販売が中心で、あとは店内でドリップコーヒーが飲めるスペースが少しあるくらいでした。
お客さんも、コーヒー愛好家中心で、常連客ばかりです。

そんな田舎町の小さなコーヒー店を
現在のように世界中で愛されるスターバックスに成長させたのは
現会長兼社長兼最高経営責任者のハワード・シュルツ氏です。

彼は、イタリアに行った時に
カフェラテなどのエスプレッソドリンクを味わい
バリスタとお客さんの密なコミュニケーションに出会い
強烈な現場体験をします。

このイタリアのカフェスタイルと
ハワード・シュルツ氏のいたニューヨークのカフェスタイルと
シアトルのコーヒー豆を取り扱っていたスターバックスが組み合わさって
現在のスターバックスになっています。

興味深いのは、イタリアのスタイルを取り入れるなかでも
取捨選択をしていることです。
エスプレッソドリンクや、バリスタとの密なコミュニケーション以外にも
イタリア式ジャズや、イタリア語のメニュー、イタリアの立ち飲みスタイルを取り入れたのですが
これらは、ニューヨークの住民に受け入れられず
却下する方向になりました。

このように、海外からスタイルを取り入れる際は
自社のコンテキストと照らし合わせる重要性を教えてくれます。

現在も、スターバックスは次々と新しいメニューを開発し
目が離せない企業ですね^^
その際にも、もしかしたらモデリングや模倣が行われているかもしれません・・・!
これからも、スターバックスの動きには注目したいですね!

2011年9月8日木曜日

事例2:ニトリ


こんにちは、佐藤です!
今回は、株式会社ニトリにおけるモデリングについてお話したいと思います。



ニトリといえば、北海道の一家具屋さんからスタートし
以来、全国に着々と店舗を増やしながら増収増益を続けている、
現在最も勢いのある企業のひとつです。
似鳥昭雄さんという方が社長を務めているのですが、
その事業の原点は、70年代に出かけた欧米への現地視察でした。
欧米の家具チェーンを訪れてみて、
そのあまりの日本との暮らしぶりの違いに、愕然としたそうです。
「欧米並みの豊かさを、日本の暮らしにも提供しなくては」
そこで感じた大きな使命感が原点となり、
日本では初の物流製造小売業として、事業を行いました。

常に謙虚に、他人から学ぶ姿勢を大切にしているという似鳥社長。
イケアの日本進出に対してコメントを求められた際にも
「勝つとか負けるとか、そんなことはどうでもいいと思っています。
イケアさんのいいところはたくさんあるし、それを謙虚に学ぶ。
だから、逆境こそチャンスと考えています。」
と、あくまで丁寧に答えつつも
その言葉の奥に、確固たる自信をのぞかせています。

他にも、日経ビジネスなどの雑誌のインタビューで、
「アメリカはいつも私の先生です」
「現状を否定することからはじまる」
と、自身の原点となった欧米視察や、
常に自社の現状を否定して新たなものを取り入れていこうという姿勢など
モデリングをにおわせる言葉が、何度も出てきます。

現在は、自身の原点となった米国へのニトリの進出を計画しているそうです。
モデリングからはじまったビジネスが、逆に輸出されたらどうなるのか
今後も、ニトリから目が離せそうにありません!

2011年9月2日金曜日

事例1:ウォルマート


こんにちは!東郷です^^

前回は、私たちの研究テーマ、モデリングや模倣の大切さを紹介しました。
今回は、実際に模倣によって、世の中に革新的な事業をもたらした事例を見ていくことで、
モデリングや模倣の重要性への理解を、さらに深めていきたいと思います♪

記念すべき一つ目の事例は、現在世界一の年商を誇っている企業、
「ウォルマート」です!!



ウォルマートは1969年にアメリカに設立された小売業で
その参入の仕方が革新的なのが特徴です。

一つ目は、小商圏への出店。
既存の小売業が、人口5万人以上の大都市に大型店を構えたのに対して
ウォルマートは、人口5000人の田舎町に出店したのです!

二つ目は、低価格での商品提供です。
EDLP ( Everyday, Low Price) を謳い文句に、
お客様に毎日安い値段で、商品を提供していきました。
そのために、物流を積極的に自社で担いました。

既存の小売業は、ウォルマートのやり方に注意も払いませんでした。
「人が少ないところに店を出して、
商品の値段も安いし、ちゃんともうけられるのか?」
と疑いました。
当時、大都市以外で小売業を営むことは危険だというのが一般的な認識だったのです。

しかし、ウォルマートはこの革新的な方法で、
現在、世界のトップまで上り詰めたのです。

なぜ、ウォルマートの創設者であるサム・ウォルトンは、
このようなアイデアを思いついたのでしょうか。
そして、なぜそれを実現できたのでしょう。

彼はそのような問いに対して、悪びれもなくこう言ったそうです。
「自分が生涯通じてやってきたことのほぼ全てが、他の誰かの真似だった」と。
(この言葉は、Robert Slater(2003)The WALMART DECADE(ウォルマートの時代)」鬼澤忍訳,日本経済新聞社 より抜粋しました)

サム・ウォルトンはよく既存の小売業にお客として足を運び
店内を観察して回りました。
そして、良いところは積極的に取り入れ
悪いところは反面教師にしていったのだそうです。

ウォルマートの特徴とも言える「小商圏出店」と「低価格」も
既存の競合企業、Kマートとの棲み分けや逆ばりが元になっています。
Kマートは人口5万人以上の地域に大型店舗を出店していました。
大都市に出店しても、お客の取り合いや価格競争になるだけです。
サム・ウォルトンは田舎町に出店する案を思いつきます。

田舎町では、田舎町の商人がライバルでした。
彼らは商品に高値をつけ、小さな店舗で営業していました。
サム・ウォルトンは、商品を一律に低価格で提供しようと考えました。
そして、その方法はマージンが少ないからと
サム・ウォルトンは自ら物流を担う様になったのです。


ウォルマートの事例は
まさにモデリングや模倣の有効性を見ることができますね。

次回は、日本で業績を伸ばしている企業に注目したいと思います!